機内でタバコを吸う事件

Sabuの連載


タバコについて

喫煙者が読んだら石でも投げられそうなんだけど?
私の中では、これまた忘れられない出来事の一つなので、一筆書きますね。

私はタバコが大の苦手。

私はタバコが大の苦手。周りでも誰も吸わないし、吸う人達とつるんでいないだけか?
フランクと一番初めのデートで、一番最初にした会話が、”タバコ吸う?”だったの。
タバコを吸う人とキスした事ある?まるで灰皿にキスしているみたい。
臭いが嫌いとかでなくて、煙の中にいると、次第に声が枯れて来て話せなくなるの。

慣れ…

今でこそ飛行中は禁煙。でも私が飛び始めた頃はまだ喫煙、禁煙席のあった時代。
アメリカの国内線は丁度その頃に禁煙便になったのだけど、国際線はまだまだで。
私はチョイス無しで国際線だったので、毎回仕事から帰って来て、元彼に、“ただいま!”ってキスしようとすると、”シャワー”って押されてた。
臭いって慣れてしまうのだよねえ。
すっきりした後に、スーツケースを開けると、もうタバコの臭いでクラクラ。
私はこんなに臭っていたんだって感じ。
カリフォルニアでは、公共の建物の中では禁煙なので、オフィスは勿論、ホテルやショッピングモールとかでも禁煙、空港もね。
でもそのお陰で、皆様道ばたで喫煙しているから、オフィス街とか通る時、外を歩いているのに、まるでプールで潜水状態。
息を止めて通り過ぎるまで金魚なの。って言っても、喫煙者には、は?の反応でしょうけどね。
機内も今では禁煙が当たり前。

でも最初は、アメリカの国際線が禁煙に、そしてアメリカに入国する便が全て禁煙に。
今やすべてが禁煙だろうけど?ずれがあって、広がる迄にどれだけ時間がかかった事か?って、前置きが長くなってしまったけど、、、。

パンチパーマの日本人のおじさんが…

これはそのアメリカへ入国の国際線が禁煙便になったばかりの話で。
ロス到着1時間程前に、一人のクルーが「Sabu,誰かがトイレでタバコを吸った様なんだけど、多分あの人が最後に出て来たから、、」
って指をさしたのは、パンチパーマの日本人のおじさん。

丁度私の通路側に座っているお客で、ツワコンだったはず。
あと1時間も我慢すれば好きなだけ吸えるのにって思いながらも、まあ禁煙者にとっては12時間のフライト一分でも拷問なのでしょうね。
でも違法は違法!しかも飛行機の中って砂漠よりも乾燥していて、火事なんて起きたらおさらばだからねえ。

念のためおじさんに聞いてみようと思って近付いたらもうタバコの臭いが…
喫煙する人って、自分がどれだけ臭うかって気がつかないのだろうね?
通路側席だったので、そのとなりにしゃがみ込んで「お客様?他のクルーが目撃したみたいなんですけど、おタバコトイレで吸われました?」って聞いたら、無言で顔を横に振ったの。

歳は多分40歳後半だか、50歳前半、中肉中背のパンチパーマのおじさん。
私はまだ30代の若僧に見えていたでしょうけど?
でも私の質問に対して無言だよ?

Sabuはブチ切れ

「もう一度聞きますが、トイレでおタバコ吸われました?」に、また顔を横に振るだけの、無言の応答。
私はぬり壁に話しているんかい?大の大人が返事も出来ないのかと唖然。
何でも三度目の正直でしょう?もう一度同じ質問をしてみたけど、無言の同じ返答。
どう転んでもこのパンチのおじさんが吸った事は事実だし、法に触れた事をして、ヤベーって思っていたのでしょうけど?
人が質問しているのに、ガキじゃないし無言かよ!ぶち切れてしまって!
「あなたがタバコを吸ったかどうかなんて、もう問題じゃあありません。この指を臭ったら分かるでしょう?」って思わずおじさんの手首をつかんで、おじさんの顔の前迄寄せて。
「あなたの処分は機長に任せます。ロスに到着したら決めてもらいます。でも我々は他のお客の安全を守る責任があるんです。
吸い殻は何処にあるんですか?トイレに流したんですか?自分で持っているんですか?」って、何でだろう、大声で叫んでしまった!

パンチおじさんビックリしただろうね。ポケットに手を入れようとしたので「自分で持っているんですね?」
って聞き返したら「はい」って返事したので、
別のクルーに吸い殻は自分で持っているらしいけど、念のためトイレのゴミ箱に水かけて調べておいてって頼んだら、
機長からの着陸準備のアナウンスが…

あとちょっと待てば堂々と吸えたのにって思いながら着陸。
別に火事にもならなかったし、タバコが吸いたい喫煙者の気持ちも分からないでも無いし、機長も大げさにもしなかったのだけどね。

最後に…

私の乗務員席はこのおじさんの通路側だったので、このおじさん絶対に私を避けて反対側の通路から降りるって思っていたのだけど、
どっからガッツが出たのか私の通路側から降りようと向かって来たの。
まさか殴る?それはそれで、それなりに対応はするけど?私に向かって来て、目の前で立ち止まり「すいませんでした」って謝ってお辞儀したの。
パンチのおじさん、素通りするかと思っていたからびっくり。

ここは異国です、法律も違います。旅行を楽しんで下さいねってお辞儀仕返しました。
面白い事に、このお客が座っていた座席、あのNYの叔母さまと同じ席!あの通路側席に曰くがあるのかね?笑。

この仕事が楽しいのって出逢いなのかも。そしてそれは人生の勉強だから?だって人生一生勉強でしょう?

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